国立劇場図書閲覧室の紹介(日本最大最高のマジック関係蔵書館)

小澤洋一(プリンあらモード Magic エンターテインメント クラブ)

先月から暇を見ては通い始めた国立劇場図書閲覧室は、私の予想をはるかに越えた規模を有することがわかりましたので、皆様にご紹介します。

「国立劇場は、伝統芸能の理解及び啓蒙普及を図る目的の一環として、歌舞伎・文楽・舞踊・邦楽・演芸・民族芸能などの伝統芸能に関する図書、逐次刊行物等の資料を出演者・舞台関係者、研究者、一般の方に利用していただくために図書閲覧室を開設しています」というわけで誰でもマジックの図書を見ることができます。

場所は国立劇場裏手にある伝統芸能情報館2階にあります。蔵書数は全体で24万件あるとのことです。
マジック関係は定かではありませんが、今日私が検索した結果、
奇術: 1110件(図書1101件、雑誌9件)
手品:  343〃(〃  343〃 0〃)
マジック:312〃(〃  310〃、2〃)
魔術:  112〃(〃  112〃、0〃)
からくり: 50〃(〃  50〃、0〃)
合計1927件(図書1916件、雑誌11件)です。職員の話ではまだ全てのデータ化が済んでいないとのことで、恐らく数千件に登ると思われ、国内最大、世界的にも英国のセンター・オブ・マジックアートに迫る規模になります。

内容は緒方奇術文庫と山本慶一奇術文庫、それに独自に国立劇場にて購入したものの3本柱です。緒方奇術文庫は、故緒方知三郎先生が昭和初期から長年にわたって収集された日本奇術文献の一大コレクションで、元禄10年(1697年)の神仙戯術を始め、江戸から昭和初期までに出版された大半の貴重な文献資料がそろっています。また、日本の奇術研究の第一人者であった故山本慶一先生の収集された大量の文献資料も平成5年に寄贈され、ここに江戸から昭和後期までの文献が揃ったわけです。独自購入図書も多く、今日まで出版された多くのものが所蔵されていると思われます。

利用方法について少し説明します。もちろん貸出しはしていません。
まず、パソコンで希望図書を検索し、請求表をプリントアウトします。それに名前を記入し、職員に申し込みます。一般本は5分程度で書庫から持ってきてくれます。そして閲覧し、希望ページはコピー依頼書に記入し職員に提示し、自分で現金を投入しコピーします。コピーできるのは著作権の関係で全体の半分以下(チェックされます)。1枚30円です。
緒方奇術文庫は100件を超えますが、重要なもの43件は故高田史郎氏が現代語に解読していますので、是非ご覧になってください。世界に誇る日本文献です。

これほどの貴重な資料をマジックにかかわる者として、看過すわけにはいきません。是非ともいろいろな形で活用していきたいと思います。皆さんも一度訪問してみてはいかがでしょうか。

連絡先等は下記の通りです。
所在:千代田区隼町
地下鉄有楽町線「永田町」駅徒歩10分、丸の内線「赤坂見附」駅徒歩15分
国立劇場 図書閲覧室 (伝統芸能情報館2階)
TEL:03-3265-7411
開室時間:月~金(休室日あり)、第2日曜日 午前10時~午後5時
第3水曜日のみ   午前10時~午後8時
休館日が2回/月ありますので、インターネットで調べてください。
(注意)入室は必要品のみ持ち込み可、他はロッカーへ
コピーは硬貨のみ使用可、1万円札、1000円札は両替してくれます。

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