「サムチップ」のオリジナル
小澤洋一
●GENII2001年1月号に「150年間のベスト・トリック」としたギミック部門でサムチップ(Thumb Tip)が紹介されました。
原文
10. Thumb Tip and Finger Tip:
If Professor Herwin o f Britain is indeed the inventor of the Thumb Tip (around 1885, writes Bart Whaley in his Encyclopedic Dictionary o f Magic), I bet even he’d be amazed at the multitude o f applications for which it is used today.
(翻訳)
「英国のプロフェサー・ハーウィン(Harwin)が1885年頃発明した」とバート・ウェイレイ(Bart Whaley)が「マジックの百科事典(Encyclopedic Dictionary of Magic)」に書いている。(以下省略)
1885年とは随分昔に発明されましたね。 「マジックの百科事典」を入手して調べようとしましたが、36000円もするので購入は中止しました。
(ネットで調べると)
最初にサムチップを発明したのは英国港町ブリストロのプロフェサー・ハーウィン(Professor Herwin)である。彼はマジック道具を創造的に変更するのが好きであった。
彼はウィリアム・ハムページ(William Humpage)として1861年10月31日にバーミンガムで生まれた。14歳の時にマジシャンが水入りグラスの中のペニーを消すのを見た。それ以来経験を積んでスキルを磨いた。1880年代に彼はサムチップを発明してその中にシルクを隠した。指のレプリカである。今日、マジックサークルに展示されている。
出典:Thumb Tip History – Complete guide to Thumb Tip Magic
●「レイターマジック」(1903年ホフマン教授著 英国で発行)には「サムチップはハーツ(Joseph Michael Hartz 1836~1903英国の大奇術師)の発明である」とある。
7-3.フォールスサム(p214)
ハンカチの出現のためのハーツの仕掛けにシンブルのように親指の先に嵌める大変薄い銅製の小道具がある。本物の親指に似せて色と形が作られている。これはフォールスフィンガーが使用される大分以前に発明され、いくつかの点でフォールスフィンガーより優れている。フォールスフィンガーより太く短いのでハンカチの出し入れが容易である。さらに小さいので見破られる危険性が少なく、少し親指より長くなるが注意を引くことはない。
さあ、プロフェサー・ハーウィン(Professor Herwin )あるいはハーツ(Joseph Michael Hartz)のどちらが正しいでしょうか?
(2021/8/20)