「Sphinx Legacy編纂記」終了にあたって
加藤英夫
「Sphinx Legacy編纂記」をここまでお読みいただきまして、有り難うございました。2年で100回ですから、週にいちどは公開してきたことになります。この仕事をやり続けてきて、私自身が色々なことを学びました。あるときは蘊蓄ある言葉に感銘を受け、あるときは現代でも通用するようなマジックの演じ方に刺激を受け、何と言ってもアメリカのマジシャンたちのマジックに対する真摯な仕事振りを垣間見られたことが、そのエネルギーを私の中に取り込むことによって、私の成長の糧にすることができたのではないかと思います。
編纂記もまだ続けられないことはありません。「Sphinx Legacy」本体の方には、合計3500ページというコンテンツがありますし、英語部分は未訳ではありますが、実際のところ第140回までの草稿はできていました。それなのにどうして100回でやめてしまうのでしょう。それには明確な理由があるのです。
それは、蓮井彰さんが記録された「海外マジシャン来日記録」を年表化して、それに記録されたマジシャンについて、そしてそのマジシャンの演じたマジックについての論評を書いて、ひとつの歴史資料としてまとめるという、つぎの仕事が控えているからです。私はその資料を完成させ、今年の12月に”第1回MN7研究会”として講演させていただくことになりました。
「海外マジシャン来日記録」 については、近日中にご案内があるはずです。
それではまた、違う角度からのマジック研究成果をお届けできるようがんばります。ご期待ください。
2023年7月3日 加藤英夫