石田天海・おきぬ帰国関連資料 第10回
河合 勝
10.石田天海夫妻、帰国のためアメリカを出国
昭和33年(1958)3月14日、プレジデント・クリーブランド号でアメリカ本土より出航。
(前略)見送ってくれる友の顔。顔の波。私はそのとき深い感慨におそわれた。(中略)船は静かに桟橋を離れはじめた。もうこれでアメリカも見納めかと、目を大きくあければあけるほど、ただむせんでかすむばかりである。しだいに遠のく港の彼方、いうなればアメリカ東部三千哩の果てまでも、この目で見届けたいのに叶わないもどかしさ。(後略)」(天海著『奇術五十年』より)
※写真の建物壁面に「PORT OF LOS ANGELES BERTH-153 N.Y.K LINE NIPPON YUSEN KAISHA」と書かれている。『奇術五十年』には、「ウィルミントンより出航」とある。
(2021/8/12)
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2.山崎広子が昭和22年頃、ホノルル在住の天海宛てに差し出した郵便はがき
3.緒方知三郎が昭和22年頃、ホノルル在住の石田天海宛てに差し出した郵便はがき